ヤジコヤデザイン|安曇野市・松本市を中心に活動する個人デザイン事務所

リハビリ専門職がお伝えする身体づくりのお役立ちブログ

急に運動を始めたとき、再開したときに膝やふくらはぎが痛くなりませんか?

みなさん、こんにちは。
ヤジコヤデザインの矢島(代表)です。
ヤジコヤデザインではコーディングなどのデスクワークをしておりますが、実は理学療法士としてリハビリの仕事もやっております。
そんなリハビリ職の視点から、さまざまなカラダのお悩みに役立つ情報をお伝えしていきます。

さて、皆さんは急に運動を始めたときや、再開したときに膝やふくらはぎを痛めてしまうことってありませんか?
私はあります!
健康や体型維持、ダイエットのためにせっかく運動を続けていても、仕事が忙しくなってくるとどうしても運動ができなくなってしまう時期がありますよね。

やっと時間ができて、再開してみると次の日から膝やふくらはぎが痛くて、ちょっと大変(;~~)
そんな経験があります(理学療法士なのに)。
今回は、そんな痛みが起きてしまった後の対処方法などを私の経験も交えてお伝えしたいと思います。

前回までは体の仕組みとか解説が多かったかなと思いまして、今回はそう言った部分は少なめです。

痛みが起きてしまう場所と対処方法

私は軽いヨガ(体は依然として固いですが)とエアロバイクを体力維持のために週に3~4回ほどやっています。
ただ、時々やっぱり外で運動したくなるんですよね。

それで、久々にテニスの壁打ちをやったり、ランニングに出てしまうとついついやり過ぎてしまって、膝やふくらはぎに痛みが出てきてしまうなんてことがあります。
そのまま運動を続けてしまうとさらにケガをしたり、運動自体が嫌になったりします。

なので皆さんには私が実際に行っている対処法をご紹介したいと思います。

急な運動でよく痛みが出る膝の場所とその対処方法

先ほど「ついついやり過ぎてしまって」と書きましたが、まさに痛みの原因はそれなんです。
以前のような運動量がこなせるんじゃないかと思ってしまったり、夢中になったりしてついやり過ぎてしまいます。

このやりすぎを“オーバーユース”って言います。
これによって詳しくどこが痛むのかを先に知りたい方はこちら

さて、やり過ぎて膝が痛くなるとき、よく痛くなるのが、膝の前がわ。
膝小僧です。
私の場合は膝のお皿が痛くなります。

そんな時に役立っているのが、サポーターです。
「なんだサポーターか、当たり前じゃん」って思う方もいるかと思いますが、問題はこの症状にどんなサポーターが良いかですね。

私がよく使っているのがZAMSTさんのサポーター。
しかも大きなけがでもないので、すっと履けるスリーブタイプ

膝サポーター装着
短くてもお皿を安定させてくれれば大丈夫

これは何年も前に買ったものなので、現在は売ってないかもしれません。
今ZAMSTさんで販売しているスリーブタイプの膝サポーターは下のタイプ↓
私のものよりはちょっと長いですが、全然大げさなサポーターじゃないので、気軽に使えます。
なんなら仕事とか家事の間にも使えますよ。

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痛みが起きているところが膝のお皿の周りなので、そのお皿を安定させてくれることが大切です。
なので、このメーカーのものでなくても、お皿の周りを安定させてくれるようにしてくれているものやお皿の動きを安定させてくれるとか書いてあるものを選んで使いましょう!

私の場合は、価格も高くないし、いつもうまく効いてくれているのでZAMSTを使っています。

ふくらはぎの痛む場所とその対処方法

これも主な原因はオーバーユース。
下腿三頭筋といういわゆるふくらはぎの筋肉が悲鳴を上げて痛みを発しています。

ちなみに、ふくらはぎの反対側のすねのあたりもオーバーユースで、痛みがでることがよくあります。
この症状をシンスプリントと言いますが、これについては今回は割愛いたします(いつか説明したいと思います)。

このふくらはぎの痛みを和らげつつ運動をさせてくれるのが、やっぱりサポーター。
これもスリーブタイプ(下の写真は実際使っているもの)。

ふくらはぎのサポーター装着
これはZAMSTさんの商品とは違いますが、しっかり圧迫してくれます

ちなみにZAMSTさんのふくらはぎ用サポーターはこちら。
薄型なので、こっちの方が気にならないかも。

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私の場合は、これを履くだけでだいぶ走りやすくなります。

これだけだと何となく妙な格好になるなって思われる方は、この上からスポーツレギンスやスポーツ用のロングタイツを履くことをお勧めしますよ。

塗り薬や湿布薬は冷たいのが良いの?あったかいのが良いの?

さらに運動した後のケアとして塗り薬を塗っておくこともお勧めします。

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私の場合は、運動後にこれを塗っておいて、次の日の痛みがだいぶ軽減されます。
なんか痛いなぁって時は、大体塗るのを忘れていたりしてました。

ところで、湿布はどうなの?って思う方もいるでしょう。
湿布は剥がれたり、特に膝は曲げ伸ばしをする場所なので多少なりとも気になるので、私はあんまり使ってません。

あと話はそれますが、病院に勤めていた時によく聞かれたのが、「湿布って温めるものと冷やすもののどちらがいいんですか?」という質問です。

私は「ヒヤッとする方でいいと思いますよ」って答えていました。
なぜなら温める湿布は湿布自体が暖かくて患部を温めているわけではなくて、そのシップの成分が患部を暖かくなるようにしていて、人によっては刺激によってかぶれやすいと言われているからです。
また、ヒヤッとする成分が痛みを緩和する役割も担っています。

塗り薬もそうですが、今回の場合はヒヤッとするやつがいいと思います。
慢性的な痛みであれば、温めた方が良いのですが、お風呂やレンジで温める湯たんぽ的なもの(米ぬかや小豆でできているもの)で温めるのをおススメします。

自分でできる簡単マッサージ

自分でできる簡単なマッサージがあります。
しかも、マッサージってほどのものでもなく手軽で簡単です。

その名も「パテラモビライゼーション」!

膝のお皿を英語で“patella(パテラ)”と言います。
モビライゼーションは関節のマッサージのようなものです。

やり方は簡単👍
下の写真のように膝を伸ばした状態で完全に脱力します。
ベッドや床、ソファの上がやりやすいでしょう。

パテラモビライゼーション
パテラモビライゼーション

次に自分のお皿を探します。
完全に脱力した状態でお皿に触ってみると上下左右にグラグラな状態であることが分かります。
もしお皿が動かない時は力が抜けていない状態です。
ゆっくりと深呼吸をして、しっかりと脱力しましょう。

お皿の位置が分かったら、左右の手の親指をお皿の上下に当てて、お皿を上下に押し出すように動かします。
これを繰り返すだけ。

結構気持ち良くないですか?
特に何分やってないといけないということもないので、暇を見つけたらやる、ぐらいの感覚で気軽に続けましょう。

いったい何が痛みを発しているのでしょう

膝の痛みを発しているのは?

膝の痛みと言えば、高齢者なイメージもありますが、スポーツなどでもしょっちゅう起こる痛みの一つです。
しかも今回の私のように膝前方の痛みが多いと言われています。

それでは詳しくどこが痛むのか、と言いますとお皿の裏側とお皿が接している大腿骨の部分やその周りが痛むんです。

膝周囲の解剖図
膝蓋骨と大腿骨の接している部分やその周りの組織が使い過ぎで痛む

その場所を膝蓋大腿関節と言います。

先ほどマッサージで触ってもらったときに分かったと思うんですが、意外とお皿って不安定なんですよね。
それをサポーターがお皿の動きを安定させてくれます。
そのお皿を安定させてあげることでストレスが減って痛みの軽減が図れるという仕組みです。

ふくらはぎの痛みを発しているのは?

ふくらはぎ痛は、下腿三頭筋と呼ばれる筋肉が使い過ぎで痛みを発していたのが今回の原因。

下腿後面図
ふくらはぎの後面図

上の図の腓腹筋内側頭・外側頭、ヒラメ筋を合わせて下腿三頭筋と呼びます。
この筋肉は、ランニングの推進力を生むのに大事な筋肉ですし、踏ん張った時にも非常に大きな力を発揮します。

そこをサポーターで圧迫してあげると筋肉が使いやすくなって、血流も促せるため、痛みも軽減します。
しかも、動きやすくもなりますよ。

まとめ

皆さんどうでした?
急に運動を始めて(再開して)同じような症状が出た人は試してみてもいいかなと思います。

運動をするときの肝となる膝とふくらはぎは使すぎ(オーバーユース)によって痛みを生じやすいところです。
しかし、痛みが出てからすぐにサポーターや塗り薬、湿布、マッサージで対応することで、回復を早めて運動が嫌にならずにすみます。
痛みが再発しやすい人は、予防的にサポーターを使うのもありですよ。

痛みとうまく付き合って、趣味やダイエットのための運動を継続していくことが大切ですね。

参考文献・サイト:
1)皆川 洋至 : オーバーユースに伴う膝前方の痛み“anterior knee pain”―(1):骨の   過労性障害, 臨床整形外科 49巻5号 (2014年5月)
2)池田浩ら: 下腿・足関節・足部のスポーツ外傷・障害, Sportsmedicine 2010 NO.126
3)冷湿布と温湿布について – 一般社団法人 宮崎県薬剤師会